連休中に決勝戦が行われた
バスケットボールの天皇杯(皇后杯)を
またもやビデオ観戦しました。
結果は、
男子:アイシンがパナソニックを延長戦の末に破り4連覇。
女子:JX(旧JOMO)が接戦を制し、3連覇。
男女とも、ここ数年決勝戦の常連となっている
チームが連覇を果たしました。
敗れはしましたが、パナソニックと富士通の
両チームの健闘に賞賛を贈りたいと思います。
しかし、順優勝に留まった両チームが
頂点に立つためには、さらなる研鑚が必要に思います。
ひとつは、勝負所の把握であり、
勝つために何をしなければならないかという事です。
たとえば、パナソニック。
広瀬、木下、青野という日本代表クラスの選手をそろえ
一度リードされた展開ながら、ゾーンディフェンスで
巻き返しました。
しかし、勝負どころでは、チームとしての攻撃ではなく、
1対5の場面でシュートを打つ場面もあったように思います。
また、レフェリーの微妙な笛に泣かされた部分もありますが
攻撃中にファールを受けたと選手が考え、
プレイを止めてしまったりした場面もあったように思います。
ファールを受けてもガムシャラにシュートをねじ込んでいく姿勢があっても
良かったと思います。
松下電器の黄金時代、ラリ―ジョンソンという選手がいました。
他のチームの外国人選手はセンターをこなすケースがほとんどでしたが
ラリ―ジョンソンはいわゆる3番ポジション的な役割をこなし
チームにリズムを作り出す潤滑油となっていました。
ジョンソンに加え中島、三神というガード陣がいて
バスケットをよく知り、チームとしての勝ち方を知っていたように思います。
その3人がセンター、フォーワード陣をリードしていたのが
黄金時代のようにおもいます。
今のパナソニックに何が足りないのかは
分かりませんが、当時のようなゆるやかさ、滑らかさも
必要な気がします。
それは、アイシンの佐古選手にあって
広瀬、木下選手が身につけなければならないものかもしれません。
ふたつめは、大舞台の経験値ではないでしょうか?
たとえば、富士通。
富士通はオールジャパン三連覇の経験があるようですが
当時のレギュラーで今回スターターを務めたのは
畑選手だけで、残りの4人は皇后杯の決勝は初めてのスターターのようでした。
当時の主力、三谷選手や船引選手はベンチからのスタートです。
また、JOMOで大舞台の経験が豊富な立川選手も
ベンチからのスタートでした。
ベテランがバックアップで若いスタメンを支える展開は
ある意味理想的なチーム作りだとは思いますが、
その体制が今回は多少機能しなかった部分もあるように映ります。
三つ目は、監督の采配です。
TV中継のタイムアウト中のベンチレポートから
気になる言葉が二つ残っています。
(残り2分を切った勝負所での攻撃のパターンについて、
選手たちが話し合って決めた攻撃パターンを確認した上で)
「よし、それで行こう」
(ゲーム中盤、相手チームのポジション構成が変わり、
マンツーマンでマークする相手を確認にきたベテランガードに対して)
「自分たちで考えなさい」
どちらも、選手たちを信頼したうえでの発言だと思いますが、
前者は監督としての明快な指示も含まれています。
後者は監督として選手の不安(質問)を解消したとは言い切れません。
(それ以上に全幅の信頼を置いているという証しなのかもしれませんが…)
監督としての立ち位置や、きめ細かい確認も
大きなゲームでの接戦になればなるほど
大切なのではないかなと思いました。
接戦のナイスゲームの中に今回はそういったテーマを見い出しながら
決勝戦を楽しむ事ができました。
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