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•オーブン島物語(6) れんじいさんの夏の賄い

あひる課長さん

アンドロメダ星雲に浮かぶある惑星に
オーブン島という島があり、
スター家という島の中の一つの村を収めている家族がいた。

家族の中には一人の少年がいて、
深夜ラジオのドラマの舞台となっている
どこか知らない星にあるグラタン王国の話に夢中になっていた。

オーブン島に新しくできた「じゃがいもおっさんの店」で
働き始めた少年も少しずつ店の雰囲気に慣れ、
じゃがいもおっさん=れんじいさんの作る賄いに
発見と感動を続けていた。

一方、
「あつは、なついわね~」
ちょっと天然な感じのメイの言い回しには時折苦笑いを
隠せずにもいたのだった。

「さぁ~、モグモグタイムよ!」
メイと少年が楽しみにしている賄いの時間だ。

(今日もアレを使った賄いなのか?)
少年はれんじいさんの繰り出す賄いをとても楽しみにしていた。

アレ…










最近はそれを使った賄いが続いていた。


もやしあんかけ焼きそば

201807141523286d0.jpg


トロトロ卵ナポリタン

DSC_3445[1]


熱い夏にグラタンばかりでは、
と鉄皿を使った賄いが出てくることが増えてきている。


フライパンで調理し、皿に盛りつける手間を省き
洗い物を減らそうというのが、れんじいさんの狙いのようだった。

賄いはみんな揃って食べられないこともたまにあるので
一人分づつ準備できるメリットもあるようだった。


そして、この日は、

ソース焼きそばトロトロ卵パッケージ

DSC_3496[1]

卵という湖に浮かぶ焼きそばの島。
まさにオーブン島のような環境。

卵は一見ナマに見えるが鉄皿に接した部分は適度に
固まっていて、それで焼きそばを包んで食べると
何とも言えない幸せが込み上げてくる。

「れんじいさん、これお店のメニューに載せてもいいんじゃないの?!」

少年がれんじいに訪ねる。

れんじいさんは黙って焼きそばと卵をかきまぜながら食べている。

「ねえ、れんじいさん!」

少年はちょっと大きな声で繰り返した。
メイはフォークで焼きそばをクルクル巻いている。

れんじいさんは、一口頬張ったあと、
ホフホフしながら答えた。

「ひひんだよ、ほれははかはいで」


「そだね~」とメイが続ける。
「前ね、メニューに出したことがあるの」
「でも、『卵は固焼きにしろ』『ケチャップをくれ』『半熟の目玉焼きで載せて』
とか、もう細かい注文が多すぎて、焼き直したりしているうちに、
『半熟が好きなのに、焼けすぎた』なんていう人もいたり、
もうめちゃくちゃすぎて、やめちゃったのよね」

と賄いに収まったことをメイが説明した。

少年は、そんな背景を知り、
賄いで食べられる幸せを感じながら、
一切れ残しておいた卵に醤油を垂らして食べていた。



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[ 2018/08/04 19:03 ] オーブン島スター家物語 | TB(0) | CM(2)

こんばんは。なついですね。

鉄板に乗せたスパゲッティは私も好物で、
よく作ります。
私の場合は玉子を敷かない、「釧路方式」なので、
最後のほうになると麺がカリカリになって、
何を食べているかわからなくなるほどですが、
そのワイルドさが好きです。

[ 2018/08/09 21:37 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 鉄板に乗せたスパゲッティは私も好物で、
> よく作ります。

 鉄板スパゲッティ実はらざーろさんから
 ヒントをいただいております。
 事後報告となる沁みません。
 れんじいさんにも伝えておきます。

> 私の場合は玉子を敷かない、「釧路方式」なので、
> 最後のほうになると麺がカリカリになって…

 なるほど!
 釧路方式なんていうのがあるのですね!!
 次回は釧路方式にもチャレンジしてみますので、
 なんとからざーろ判定でお願いします。

いつもコメントありがとうございます。
[ 2018/08/11 18:20 ] [ 編集 ]

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