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オーブン島物語(8) 五島キャンペーン

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アンドロメダ星雲に浮かぶある惑星に
オーブン島(とう)という島があり、
スター家という島の中の一つの村を収めている家族がいた。

家族の中の一人の少年は、深夜ラジオのドラマの舞台となっている
どこか知らない星にあるグラタン王国の話に夢中になっていた。

そんな時、オーブン島の「じゃがいもおっさんの店」で働き始めた少年は
じゃがいもおっさん=れんじいさんの作る料理に発見と感動を重ね、
自らは気づかぬままその感性と腕前を上げていた。




オーブン島のある惑星では、奇妙な疫病が島に暗い影を落とし始めていた。
島に観光客はおろか、外食を控える人々が増えていた。

それでもれんじいさんの仕事は確かだったので、
来店する客数の微減はあるものの、
じゃがいもおっさんの店は、少人数単位での客層を置いてにしていることもあり、
じゃがいもおっさん、メイ、少年の3人は
家族連れ、お一人様など根強いファンに支えられていた。

「来週は予約も入ってないし、オレの妹の店に行ってみねえか?」
少年の作った賄いを食べながられんじいさんが切り出した。

「わぁ、ヨシミ姉さんのお店! 行きたい行きたい」
メイは歓喜の声を上げた。

「今度始まるキャンペーンもあるし、オレもしばらく会ってねえから
 顔見に行くついでに、お前さんのことも紹介したいしな。」

おっさんは少年をヨシミと呼ばれる女性に合わせたいようだった。

オーブン島や周りにある島々が共同で振興キャンペーンが行うことになり、
島同志の行き来きに特典が付くという。

「五島キャンペーン」の通り、5つの島々が対象地域のようだ。

少年は「でも宿代が…」と不安げに話すも
「心配いらねぇ、ヨシミの家に泊めてもらえるよ、お前さんはなんか作ってくれりゃあそれでいい」

かくして、少年の歓迎会を兼ねたじゃがいもおさんの店の慰安旅行が決まった。

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[ 2021/02/09 18:14 ] オーブン島スター家物語 | TB(0) | CM(0)

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