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オーブン島スター物語(10) 賄いパエリア

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アンドロメダ星雲に浮かぶある惑星の
オーブン島(とう)に住む少年は
深夜ラジオのドラマの舞台、グラタン王国の話に夢中になっていた。

そんな時、れんじいさんの料理に感動した少年は
れんじいさんが営む「じゃがいもおっさんの店」で働き始め、
自らは気づかぬままその感性と腕前を上げていた。

疫病禍の中、5つの島の振興策「五島キャンペーン」で
少年、れんじいさん、メイの3人が向かったのは
れんじいさんの妹、ヨシミの店がある ノッ島。
諸島の人々は「のっと」と呼んでいる。



訪問初日の宴の翌日、れんじいさんは釣りに出かけ、
メイはヨシミと女子旅!と盛り上がり観光に出かけてしまった。
ヨシミに教えてもらった観光施設に少年は向かった。
ノッ島で取れた新鮮な魚、缶詰などの魚介類の加工品、
山の幸などがたくさん並んでいる名産品の売場は
一人でも楽しむことができた。

少年はいくつかの調味料を購入し、
賄いづくりに役立てようと考えていた。


そんな中、ヨシミの店に少年が戻ると、
れんじいさんが釣りから帰ってきた。
「だめだこりゃ」とクーラーボックスから出てきたのは小さな鯛。
「これでなんか作ってくれよ」とれんじいさんは捌いた鯛を渡す。

「できればコメと一緒に炊いてくれねえか」
「冷蔵庫からテキトーに使っていいからよ」

れんじいさんからのミッションに従い、
冷蔵庫を開けるが、タマネギが半個。ニンジンのかけら…

そういえば、昨夜、れんじいさんと板長が話をしていたのだ。
二人で一緒に仕入れをしてくるまでは何もないという事だ。

お米はあった。

「よしっ、あれを使おう!」


少年は今日手に入れてきた調味料を手に取ると準備を始めた。


20分ほどでできたのがこれだ。

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タイのパエリア。
水で溶いたターメリックを浸しておく。
洗い場に干してあった深めのフライ用鍋で鯛を塩コショウで軽く炒める。
鯛を一旦皿に移し、油を注ぎタマネギが透明になるまで炒め。
洗っておいた米、とニンジンを炒め、米より多めの量のターメリックの汁を注ぐ。
沸騰したら蓋して10分、蒸らして10分。
沸騰して5分したところで、タイの身を戻す。
蓋の代わりにはアルミホイルを被せた。

よそでの料理で道具や準備に不足はあったが、
出来上がりはまずまずだった。

「やるじゃねえか!タイでパエリアなんてオレには思いつかねぇ。」
れんじいさんは嬉しそうに平らげた。
「女たちには内緒にしておくか」とにやりと笑う。

ノッ島の2日目のできごとだった。
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[ 2021/06/23 04:30 ] オーブン島スター家物語 | TB(0) | CM(0)

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